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No.1378 最近いわれるZEH対応住宅レベルへの性能改善

 相談概要 検索キーワードは何ですか?: 断熱リフォーム
氏名: O.H.
相談建物予定地(市町村までで可): 東京都練馬区
職業: 個人事業主
年齢: 49
性別: 男性
構造: 木造
竣工予定: 西暦2004年11月 日
何階建て?: 地上 2階、 地下  階
延べ床面積:   129  u(39坪)
工事金額(売買金額)の予定:      万円
設計監理料はいくらの予定ですか?:      万円
建築様態: 注文建築
 相談内容 ━━ 住まいづくりの相談内容:

■建物仕様(H16年竣工、築約12年経過)
アキレス社が推奨/販売している外断熱ウレタンボード(確か50_厚)を壁面屋根基礎(内側)に全面施工(依頼先工務店の標準仕様)。現在も相応の断熱性能を維持。

■想定するリフォーム内容(=最近いわれるZEH対応住宅レベルへの性能改善を指向します)
→全面リフォームでなく、一部居室内壁に断熱材を付加する部分フォームを想定(窓リフォームは既に実施済み)。

■質問事項
@付加する断熱材の素材は何が良いか?
→内部結露を懸念しグラスウールは回避すべきか?ウレタン現場発泡あるいは自然素材である羊毛断熱などにも興味あり。断熱材と石膏ボードの一体化製品なども施工性の観点から良さげな感じがします。

A居室部分リフォームの考え方は適切か?
→そもそも基礎断熱につき、床面の断熱強化は不要と思われます(床暖房設置済みでもあります)。
→天井も実施すべきかもしれませんが、屋根の葺き替えを別途想定しており、その際に断熱性能の高い屋根材に変更する予定です。

Bリフォーム時に留意すべき点はどのようなものか?
→例えば、より気密性能改善、換気性能改善も必要とか
 yorozuの感想 素人の質問に対し、専門家の皆さんによるまじめな議論や検討がなされているなど、言い放しの無責任な匿名コメントが無い点は非常に評価されます。
素朴な質問(とはいえ、本人には真剣な悩みともいえるもの)を通じて、最終的にビジネスレベルのマッチングに繋がることを指向されているのでしょうから、是非そのような機会を見出せればと思います。
以上、可能な範囲でご教示頂きたくメールを送りました。よろしくお願い致します。
アドバイザー 
武田 直行 質問の内容がはっきりしないところがあります。今回部分リフォームをするがこの部分だけの断熱改修での問い合わせなのか部分リフォームを実施しながら最終的にZEH対応レベル住宅を目指され、現在窓の断熱改修は終えられ、屋根部分に関しては将来全面改修する予定であるということかはっきりしません。

ご存じのように省エネ基準が変わり従来は建物の熱損失を床面積で割った数値が基準になっていました。今回建物全体の表面である外皮というものの面積で割った数値が基準に代わりました。また冷房時の日射取得率の基準というものも定められています。

前者の場合、
@の質疑について
外断熱を実施されているのでGWの内部結露は心配しなくてよいと思います。あとは費用対効果と施工や居住性の観点から検討されてはいかがでしょうか。
たとえはGWは安価であるが今回の建物の仕様から通気層はとれていないので吸湿して重くなり断熱欠損がでて性能が劣る部分が生ずる恐れもあるのである程度湿度を調整できる羊毛を選んだり、ウレタンの現場発泡方式をとるか検討されたらよいと思います。

Aの質疑について
新らしい基準から外皮という部位が定義され外皮については基礎立ち上がり部に関わらず床部分も入りますので床部分の断熱を考慮しなければなりません。
基礎断熱しているので基礎立ち上がり部の熱損失と床部分はすべて土間断熱として床の熱損失量を考えるか新たに床部分で断熱するとしてリフォーム計画を実施していくか検討する必要があります。
部分リフォームではリフォームしない部分との取り合いや施工可能な範囲の制限もあり、せっかくの断熱改修も予定の効果を発揮できるとは限りません。

屋根部分に関しては全体ですっぽりと施工できますのでコスパについてはより効果があると思います。またリフォームする居室については断熱改修すればそれなりの効果は当然上がると思いますので間違っていないと思います。ただ家が目標とするZEH住宅にどれだけ近づいているかを評価するのは困難だと思われます。評価してもどうしても実感との乖離が出てくると思います。

Bについて
ZEH住宅を目指すという全体目標に関してはやはり家全体の全面改修を前提におかなければならないと思います。それに基づき各部位の断熱性能を決定して断熱仕様を決めていくということだと思います。その全体計画のもとに部分りフォームを実施していくなら少しは目標に近づけると思います。リフォームについてはその目的を明確にし、コスパを考慮し、さらに工事による生活についての影響(ほこり、騒音、防犯、日程、引っ越し?)なども把握し、とくに技術的なことに関しては建築士などの専門家の助けを得ながら実施することが大切です。
 コメンテーター 
津村 泰夫  ZEH対応住宅レベルへの性能改善ですが、各材料メーカーの協力をお願いして対応していく必要があるかと思います。たとえばサッシの交換だとサッシメーカーから仕様書や計算書を出してもらいます。今年(相談時)は100億円も予算が出ると聞いていますが、環境共創イニシアチブの補助を受けるにはタイミングが重要です。
 事務局から 
  古賀 保彦 現在の建物性能がどの程度か分かりませんが、断熱性能だけではなく、日射取得状況や現状の設備を踏まえて建物全体での計画(見直し含め)が必要かと思います。

内外断熱方式の組み合わせ、高断熱化で、後で思わぬところに問題が出ないよう、慎重にご計画なさってください。

また、内部側の断熱材は、湿気が入ると逃げていくところがなさそうです。気密施工を行うにしても、後施工ですから十分に行えない可能性があります。どこまでやり直すかにもよりますが・・・。

江戸時代には、モノを大切に使い、無駄を出さないという意味で、循環型の暮らしがあったと聞きます。今の時代は建築素材を造るのにも膨大なエネルギーが使用されています。中にはリサイクルできるものもありますが、いずれ捨てられる運命のものも多く、造るのに使われたエネルギーを、使用する間に回収できるのか、という見方も必要かと思います。
早寝早起き、ドテラを被る、のも立派な省エネです。ハードに頼り過ぎず、暮らしの仕方を考えることで、少しではあっても環境負荷の軽減に貢献することはできそうです。これからの時代、ソフト面からのアプローチにも期待したいと思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お世話になります。
メールの到着を見逃しており、返信遅れてしまい申し訳ございませんでした。

何となくですが、皆様のご見解を理解することが出来ました。
性能改善のリフォーム改修は、やはり専門家の皆様と実物を確認しながら検討した方が良さそうに感じます。

機会があれば、個別相談をしてみたいと思います。
取り急ぎ、簡単ですがお礼申し上げます。
 その後  
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