相談概要 | [氏名] T.U [居住住所] 東京都江戸川区 [相談建物予定地] 千葉県市川市(未定) [職業] 生花店販売 [年齢] 32 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。 [何階建て] 2or3 [延べ面積m2] 100 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1000台 [設計監理料] [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 打合していない。 [様態] − [施工者] − |
相談内容 | [家づくりの相談内容] 母との同居を機に、家の購入を考えています。家族の意見としては、一戸建ての家が希望です。 いろいろな問題はさておき、建物の外観や素材・環境などの、私のイメージ(外壁がガルバニウムと木材、ガーデニングがしやすい庭、又はバルコニー)がはっきりしすぎていて、一生の財産となる家が建売の家では、絶対に納得いかないだろうと思っています。 考えてみたのは、建築家さんに家族の希望をかなえる家の設計をお願いする方法ですが、資金面的にも難しい所もあるのが現状です。そこでもう一つ、中古住宅を購入し、入居前におおがかり(になると思う)なリホームをすることを考えました。 その際に、お聞きしたいことがあるのです。住宅展示場などにも数回足を運んでいるのですが、最近の住宅は体にも優しく、性能がとてもよくなっていて、耐久性や気密性などに大変優れ、60年、80年、100年の保証もされているようなことを聞きました。築20、30年の中古住宅をリホームするということは、そのような建物自体の性能も改善できることになるのでしょうか。または、見た目はきれいに使いやすく住みやすくできても、数十年たってしまうと、建替えなどがよぎなくなってしまうのでしょうか。 また、中古住宅でリフォームを希望している際、選ぶ物件のポイント(築年数、建物の形、条件など)などありましたら、教えて頂ければと思います。内装も、間取りや収納・建付け家具に至るまでリフォームできればと考えていますが、費用としては新築の家を建てるほどかかってしまうこともあるでしょうか。 どうぞ、よろしくお願いします。 |
yorozuの感想 | いろいろな疑問が相談できたり、調べたりできて参考になりました。 何から始めたらいいかわからない時の、手助けになると(私はなりました)思います。 |
アドバイザー | |
長谷川 明弘 | 解説員の長谷川です。 中古物件を購入して大がかりなリフォームする方法は、ある意味ギャンブル的要素があると思っています。 よく中古物件を購入するので目視調査を依頼されて調査に行きますが、調査可能な部分は限られています。仕上げの劣化や不具合、そして建物の水平、垂直の状態を確認するのは比較的簡単なのですが。構造体を調査する場合、普通で屋根裏と床下ぐらいしか確認できません。 それ以上になってくると、購入後に解体して初めて解る箇所が沢山出て来ます。 筋交いがしっかり入っているのか、金物等は建設当時の建築基準法の構造規定で建てられているのか等々です。 家の寿命は住んでいる方によって大きく変わると思っております。まめにしっかりメンテナンスすれば木造住宅でも長寿命になるはずです。逆になにもしないまま放っておくとすぐにぼろぼろになり、あっという間に痛んでしまいます。要は住む人、本人の意識の問題でなんとでもなるものです。知らないうちに白蟻にやられていたなんてなったら目も当てられません。そんな事が起こらないようにするためにマメに予防して行く事も大切ですよね。 以上のように、中古物件を購入後リフォームする方法も色々とリスクは生じるので、建築家に依頼すると、資金面的にも難しいとお思いになるかもしれませんが、一度気軽に連絡してみては如何でしょうか?きっと協力しくれる建築士はいるはずです。 |
津村 泰夫 | 解説員の津村と申します。 購入する中古住宅にもよると思います。20〜30年前の住宅でも、そこそこリフォームをするだけで、現環境、家族に申し分のない家があります。また、リフォームの相談にこられたが、家を見てみると地盤が悪く、柱廻りも貧弱なため、建て替えをおすすめする場合もあります。 20〜30年の経過というのは様々な変化があり、化学物質等は抜けている場合が多いでしょう。しかし床下の防蟻も必要かもしれません。それよりも時代の変化により対応出来ない形態が多いと思います。 まず、バリヤフリーでないことが上げられます。また、当時は「応接室」を設けるケースが多く、現代では広いLDKが要求されます。そのため壁を取り払い、広い空間がほしくなるのですが、構造上厳しい場合が多いと思われます。そのほか、設備面の技術的進歩はめざましいものがあり、できるだけ新しいシステムの導入が望ましいでしょう。 ご質問の件ですが、将来を見据えてリフォームをおこなえば数十年後でも問題はないはずです。木造としても、木材などの耐久性には問題はありません。もちろん適切なメンテナンスを前提としますが。 おすすめするのはきちんとしたリフォーム設計をおこない適切な工事監理をおこなうことにより将来にも問題のない住まいづくりはできるはずです。またその前提となるのは、正確な現況診断が必要なのは言うまでもありません。 最後に、以上をふまえた中古物件の選び方ですが。 1、気候風土 日当たりが良く通風が良いのが最高 2、地盤状況 軟弱地盤で基礎が不等沈下しているようではどうしようもございません 3、柱材の品質 桧などの良材で均質なもの、径の大きなものがよい 4、間取りのピッチ 910ミリピッチなどでは狭いですね。 5、屋根の形状 瓦葺きのシンプルでしっかりしたものが良 |
コメンテーター | |
樽 一弥 | リフォームの件は長谷川、津村の両解説委員のコメントをご参考になさって下さい。 住まいに対するイメージがあることは素晴らしいことで、それを叶えるお手伝いができる建築家も冥利につきるでしょう。 さて、リフォームが安価ですむというのは、要求する建物によって異なると思います。 建物へのイメージが既にある場合はなお更で、場合によっては新築よりも高くつくこともあります。つまり、要求性能やデザイン・形状によって、基礎や柱、梁など建物を支える部材だけしか再利用できないこともある訳です。 又、既存建物の場合は調査してみて初めて問題が露見し、その補修に大きな費用がかかってしまう場合もあるでしょう。 新築にしろ、リフォームにしろご自身の判断だけでなく、長谷川さんのコメント にもあるように、身近な信頼の置ける建築家と一緒になって検討されたらどうでしょうか? 良心的な建築家に相談や設計を依頼することが、多大な費用になるとは思いません。むしろ、これから「住み続ける」ために、後悔しないために必要なことだと感じます。 是非、地元の建築家協会や事務所協会、建築士会に気軽に声をかけてみて下さい。 ポートフォリオなどを参考になさって探せば、きっと親身になってくれる建築家がいると思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 先ず60年、80年、100年の保証の家はないと思います。現在の保証が切れるときにあなたの費用で調査し、その上で問題がなければ保証を延ばすというものです。 60年の保証をもらえてもその会社は存在しているのか否か?だれにも保証できません。 また、営業マンや設計者は亡くなられているかもしれませんね。 保証書は余り信用するものでもないのです。 わたし達の本でも書いているようにリフォームは新築より難しいというのが結論です。 それだけ設計能力も監理能力も新築以上に必要になります。 特にTVリフォームでは一切放映していない(やっていない?)のですが、構造的な補強は必要になるでしょう。多分、売主が愛情を込めた家であれば問題はないかもしれませんが、そうでないと悲惨なものとなります。 購入前には第三者の調査はある程度の効果がありますので、考えてみてもいいでしょう。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | この度は、さまざまなアドバイスを頂き本当にありがとうございました。 わからないことだらけで始まった、私たちの住宅購入への夢ではありますが、中古住宅の厳しい現実を考えなければならないこともわかり、それが「よし、頑張らなければ!!」という、これからの目標になったような気がします。 そして、いつか私たちの納得の家を見つけ、その家をイメージのように作りあげていきたいと思っています。 (建築家さんと一緒に・・・) 住宅ローンの事など、前にクリアになければならないこともたくさんあり、購入はもう少し先になってしまいそうですが、また、ここでお知らせできる様頑張りたいと思います。 アドバイス頂いた皆様、ありがとうございました。 |
その後 |
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