相談概要 | [氏名] Y,M [居住住所] 広島県広島市安佐南区 [相談建物予定地] 広島県広島市安佐南区 [職業] 公務員 [年齢] 55 [男性] on [構造] 木造(その他) [設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 74 [延べ面積坪] [工事請負金額] 300 [設計監理料] 0 [お手持ちの図面は何枚?] 1枚 [打ち合わせ何回] − [様態] 建売り住宅 [施工者] 大工(工務店) |
相談内容 | [家づくりの相談内容] (トラブルではないので このファームへ書き込ませてください。) 簡易耐震診断で0.77の築25年以上の古家(木造在来工法2階建)を貸そうと思います。 建物は検査済で公庫融資も受けての建築と聞いている,最近購入した古家です。 (診断は一級建築士によるものです。図面など前所有者が持ってませんでしたので実測してもらいました。床下,屋根裏は見えましたが壁までは剥がしていません。) 耐力壁増設で簡易診断1.0クリアする改修計画案を採用しようと思います。 (もっと資金を注ぎ込めば耐震度は上がるのですが 資金に限りもありますし(一旦 自己居住にしても)土地面積から公庫のリフォーム融資も駄目です。) さて お教え頂きたいのはこの1.0程度の耐震性能の住宅を貸して万一地震時に借主に被害があった場合の貸主の責任についてです。どの程度の耐震性能なら責任を問われないのでしょうか。 又、簡易耐震診断で良いのでしょうか。 (全く図面がないので実測してもらった間取り図面1枚のみです。在来工法ですので真壁などから構造の推測 はできると思います。工事中に「建売住宅にしてはちゃんと工事している。」と評判があったのは昔聞いた覚 えがありますが,建てた業者は今はありませんので図面など調べようがありません。 ) |
yorozuの感想 | 皆さんの相談内容が真剣で住宅に対しての深い思い入れを感じます。 リフォームについてはあまりないようですね。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | 弁護士では有りませんし、判例を調べたわけでもありませんので、あくまで私の個人的な考えですが、参考までに述べさせて頂きます。 検査済の物件で、耐震診断を受けて1.0をクリアーする耐震改修を行い、それで地震の被害を借り主が受けても貸主が責任を負うことはないでしょう。 将来責任を追求される可能性のケースを考えてみます。 借り主が、「この部分が腐っている、壊れている、おかしい、このまま住むには不安なので改修して欲しい」と要求され、それを無視し続けた場合で、さらに地震が起こり、被害が生じてしまった場合です。さらにそこを改修しないことにより被害が生じたと立証された場合、責任が負わされると思います。 現在の内容で改修されれば、今は心配されることはないというのが、あくまで私の個人的な意見です。 余談ですが、簡易耐震診断は地盤も含めての診断で、建物だけの判断ではありませんが、築25年で0.77という診断は、良い方ではありませんので、改修されるのなら借り主も安心して住めると思います。YMさんのような良心的な貸主ばかりなら被害が少なくなっていいですね。 |
弁護士 山口 健一 |
地震はいわゆる天災であって、このことで家屋が損壊し借主に被害が生じても、一般的には貸主には民事上の責任(損害賠償をする責任)はありません。 但し、貸主が積極的に「震度○程度の地震なら大丈夫です。」と、貸家の性能を保証したにもかかわらず震度○以下の地震で倒壊してしまった場合や、周りのほとんどの家が倒れることのない程度の地震であったにもかかわらずその家だけが倒壊したというような場合には、貸主に責任が発生する可能性があります。 |
コメンテーター | |
津村 泰夫 | 清水解説員の説明のとおり、簡易耐震診断で0.77という診断はあまり良くないと思われますので、このままではいくらかの損害賠償の義務が生じる可能性がありますね。1.0程度まで改修されるということですから、望ましいことだと思います。また、簡易耐震診断でも良かろうと思います。 ただ、老朽住宅で将来的に建替え等を予定している場合などでは、改修費用をかけてまで補強をおこなうようなことは考えにくいですね。このような借家での相談が良くありますが、現況の調査をおこない、劣化程度や危険性について説明会をおこなったことがあります。このような場合には震災等で被害を出しても良いというわけではありませんが、一定考慮されると思われます。(過失相殺) |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 今回の建物は既存不適格建築物といい、現在の法律に適合しなくなった建物をいいます。 このまま改修せず、確認済証があれば建設時として合法ですから特に問題はありません。 今回は耐震改修をお考えのようですので、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に適合させる必要があります。ご検討ください。 尚、簡易耐震診断は一般の方ができるように作成されているもので、かなりアバウトな診断です。 プロは精密耐震診断のやり方で行って、現状の耐震性能を判断するものなので、精密耐震診断をしてから耐震補強改修工事をしてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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